青木繁 坂本繁二郎 生誕140年 『ふたつの旅』展 に行ってきました。二人は福岡県久留米市生まれの同級生で、小学校も同じでした。

私の高校時代の友人の祖父の梅野満雄という方が青木繁を物心両面で支援をしていたということもあって 彼の作品をいくつか見る機会がありました。
今回は彼の有名な作品『海の幸』のオリジナルを見られました。

青木繁の旅は 道なき道を歩んだ人。激しく求めた人。
もう一人の坂本繁二郎は 今までは青木繁の同級生の作家というだけの知識で作品も知らなかったのですが、小林秀雄の本の中に坂本繁二郎の名前がでてきたので、気になっていました。
小林秀雄が「おもしろい絵ほど、人をくたびれさせる。いいものというものは人をくたびれさせるはずがない」と語り、それに答えて岡潔が「芸術はくたびれなおすもので、くたびれさせるものではない」というくだりがあるのです。くたびれなおす絵として坂本繫二郎の名前が挙がっていました。
それで、今回は坂本繁二郎の絵もみられるというので、楽しみでした。
ほんとに人の心を柔らかくしてくれる作家だと どの絵を見ても思いました。
上の絵が坂本繁二郎 下の絵が青木繁。

彼は青木繁が亡くなってすぐ翌年には彼の作品集を作り 晩年の青木繁が不遇のうちに書いた作品も含め 先ほどの梅野満雄氏と共に作品の散逸を防ぐべく すぐに動いています。青木繁の才能を惜しみ、動くことができた人でした。87歳で没するまで、九州八女市で、絵を描き続けます。たくさんの賞を取り、尊敬と名声を得ています。
青木繁は 歴史に残る作品を書きましたが、生きているうちに名声を得ることなく 28歳で亡くなります。
どちらも 一生懸命 絵を描き続けたということに 胸を打たれます。
この展覧会はアーティゾン美術館で開催中。昔のブリジストン美術館で、ブリジストンの初代石橋正二郎はやはり九州久留米市の出身で 青木繁の作品を多く収蔵しています。