ノカンゾウです。玉川上水の土手に、咲いていました。

ふつうは 茎にびっしりとアブラムシのような 黒い虫がついています。
気持ち悪いくらいです。でも この一画のノカンゾウはきれいです。
なぜなら この方が筆で虫を落としてくださっているからです。

花が嬉しそうでした。

共生思想という言葉がありますが、この男性は花と共生している時間を過ごされていたのだと思います。
先日 藤原新也さん(写真家・作家)が エッセイの中で 世界遺産になった沖ノ島で、今まで人が入ったことのない所に入ってに写真を撮ることができたことを書かれていました。
その禁足の森はナタで切り分けて進まねばならないほど荒れ放題なのではないかと思っていたが、予測を裏切り、そこはまるで造園師が木々や岩や地面を配置したかのごとく秩序だっていたそうです。
彼は 「自然とはあらかじめ共生思想のようなものがあるのだということをこの前人未踏の場であらためてまなんだ」と書いていました。
私はおなじような気持ちを 生け花を習っているときに感じました。
家で 花材を活け直しても どうしても落ち着かず諦めて そのままにしておくと 次の朝、それぞれの花が引き立つように それぞれの花が少しずつ茎をずらして一番いいところに落ち着いているのです。
結果 一つ一つの花が輝くのです。共に輝くのです 。言葉でなく感じあってお互いを大事にしているとしか思えませんでした。
人間も自然の生き物です。本来そういう力は持っているのだと思います。
無くしたくない力です。